差額ベッド代約5万円を取り戻した!知らないとバカを見る入院費用


先日、父が足を骨折して地元の某大病院に入院しました。幸いなことに、手術と数か月のリハビリ後、退院し、今は一人で歩くことができています。

これまた不幸中の幸いで、通勤中の怪我だったので、労災適用となり、食費などの費用を除き、手術費や入院費用はかかりませんでした。いや、かかっていないはずでした。

父が退院してから、数週間後、入院中の領収書を見ていたら、「室料差額48,600円」との記載を見つけました(下の図の赤丸部分)。

確かに、父が骨折した日は、差額ベッド代が発生する個室に入っていたのですが、入院当日に母は病院から、「現在、大部屋が空いていないので、個室に入院することになる。差額ベッド代がかからない大部屋を希望されているので、大部屋が空くまでは個室でも差額ベッド代はかからない。大部屋が空いても個室を希望する場合は差額ベッド代5,000円がかかる。」との説明を受け、同意書にサインをしました。

父の入院後、私がお見舞いに行った際も、高額な差額ベッド代が気になっていたので、私も病棟の看護師さんに差額ベッド代がかからないことを再三確認しました。

個室に9日間入院した後、大部屋が空いたので、父は大部屋に移り、差額ベッド代はかかっていないはずでした。

病院で会計をした母に尋ねると、会計時に母もそのことを主張したそうだが、病院側の担当者が「同意書があるから支払わなければならない」の一点張りで、結局、母も疑問に感じながらも支払ってしまったようでした。

そこで、どうしても納得できなかったので、母に代わって私が病院へ改めて問い合わせることに。以下はその時の会話です。

私:父の入院当日に、母は大部屋を希望する旨伝えたが、病院の方から、「大部屋が空いていないので個室になる。大部屋が空くまでは個室でも差額ベッド代はかからない」と説明を受け、同意書にサインしました。私も大部屋が空くまでは差額ベッド代がかからないことを看護師さんに確認しました。差額ベッド代を請求するのはおかしいのではないでしょうか。

病院担当者:同意書にサインがある以上は支払いをしてもらうことになっています。説明も十分にしたはずです。

私:同意書にはどう書いてあるのですか。

病院担当者:3月5日から差額ベッド代として5,000円支払うと書いてあります。

私:多くの病院は、大部屋が空いていない場合は個室でも差額ベッド代は請求しないのではないですか。

病院担当者:そうですね。

私:それでは、差額ベッド代を払わなくても個室に入院できたのに、同意書にサインしてしまったばかりに差額ベッド代を払うことになったということですか。

病院担当者:そうです。

私:普通の人であれば、そのようなわかりやすい説明があれば、同意書にサインしないのではないのですか。それで十分に説明したということはできないのではないですか。

病院担当者:それでは、上司と相談します。

~数分後~

病院担当者:それでは、同意の撤回というかたちで、48,600円を返金いたします。領収書を持って、お母様がいらしてください。

 

上記の会話の結果、母が返金を受けた際の領収書が下の画像になります。赤丸の部分に-59,400円とあり、食費等の10,800円を支払った結果、48,600円が返金されているのがわかります。

ダメもとで病院に電話をしてみたのですが、こんなにあっさりと返金するとは思いませんでした。

返金後、母から聞いた話ですが、同意書の余白部分に、「大部屋希望」と病院側の人が書いたメモがあったそうです。私が電話した時は、そのような記載があることは一切言われませんでした。

ちなみに、冒頭でも述べましたが、この病院は地元の大規模病院で、個人経営の小さな病院ではありません。

正直、誰もが信頼している病院で、このような詐欺に近いやり方で、よくわかっていない年寄りを相手に差額ベッド代を徴収していたことが本当にショックでした。

 

《厚生労働省通知》

いったん落ち着いた後、今回の件につき調べてみたところ、「厚生労働省通達保医発0326第5号(平成24年3月26日)」で、差額ベッド代のかかる個室に関する病院の遵守事項の記載を見つけました。厚生労働省通達はこちら

第3 1(6)特別の療養環境の提供は、患者への十分な情報提供を行い、患者の自由な選択と同意に基づいて行われる必要があり、患者の意に反して特別療養環境室に入院させられることのないようにしなければならないこと

第3 1(8)(抜粋)患者に特別療養環境室に係る特別の料金を求めてはならない場合としては、具体的には以下の例が挙げられる。 ① 同意書による同意の確認を行っていない場合(当該同意書が、室料の記載がない、患者側の署名がない等内容が不十分である場合を含む。)、② 患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院させる場合、③ 病棟管理の必要性等から特別療養環境室に入院させた場合であって、実質的に患者の選択によらない場合

 

特別療養環境室とは、差額ベッド代がかかる個室などのことです。

厚生労働省通達を見ても明らかです。

みなさんには、この記事を頭の片隅に置いておいてもらって、自分や家族・友人が入院した際には、大部屋が空いてない場合は差額ベッド代は払わなくていいこと、同意書を書いてしまっても最初から大部屋を希望していた場合は返金される可能性があることを教えてあげてほしいと思います。

 

 

 

 


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